FALLING

フォーリング
インスタレーション・パフォーマンス(2013年)

向井山朋子 | ジャン・カルマン

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photo: ©あいちトリエンナーレ

コンセプト

国を挙げての一大プロジェクトとして「文化の塔」を建設し、極めて完成度の高い文明を誇示しようとした国家があった。信じがたいほどの高みに達する「文化の塔」を建てるために、想像しうる限り最も完成度の高い芸術的オブジェとしてピアノが選ばれた。ピアノは芸術品であり、芸術を創り出すものでもあった。洗練の極みに達した文化の輝ける象徴であったのだ。これらの塔は高みを目指し続け、維持することはとても難しかった。脆く、バランスを欠いていたために、大気が、あるいは大地がごくわずかに揺れ動いただけで崩れ散ってしまっただろう。新聞は、儚くも過ぎ去るこうした「歴史」の瞬間を記録していた。
この偉大な作品の残骸はいまだに訪れることができる。幽暗が音楽を創り出し、その音色はかつて人が共有していた和音を想い起こさせる。かつては繁栄を極めた百貨店の5階にその秘密の場所はある。『FALLING』はあなたを、あなた自身の物語をめぐる旅の探究へと誘う。おそらくそれは、喪失の物語であるだろう。

向井山朋子 + ジャン・カルマン

クレジット

コンセプト/ディレクション:向井山朋子 ジャン・カルマン
テクニカル・コーディネート:尾崎聡 (日本公演)
音響技術:斎藤学、森本洋太 (アイルランド公演)
技術アシスト:岩崎俊、中原映治
制作:あいちトリエンナーレ2013
共同制作:向井山朋子ファンデーション
ボランティアパフォーマー: 福島洋人、石川愛弓、小久保百華、内田純子、大嵜彰和、榊原順子、長谷川満、石川育美、鈴木明子、塚崎るみ子、本木・クラウヂア・アキコ、杉浦由佳、太田小百合、苫野美亜、井田侑子、小久保衣代

制作

制作マネジメント:あいちトリエンナーレ2013

主催:あいちトリエンナーレ2013 (日本公演), ハッピー・デイズ・エニスキレン国際ベケット・フェスティバル(アイルランド公演)
共同制作: 向井山朋子ファンデーション

協賛・協力

助成:オランダ舞台芸術助成財団
協賛:株式会社ヤマハミュージックリテイリング名古屋店
協力:ハーグ王立音楽院、株式会社石垣新聞店(岡崎市)、岡崎通運株式会社(岡崎市)、岡崎市立城北中学校、 丸美商店(岡崎市)