スーパー Tマーケット

パフォーマンス+ ファッション& アート・マーケット(2013年)
向井山朋子&ゲスト・アーティスト
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photo: キリコ・メカニカス

コンセプト

「SUPER T-market」のコンセプトは芸術と消費。この形式は、向井山のパフォーマンス「SHOES’」のパフォーマンスが終わったあと、彼女がアレキサンダー・マックイーン、ジバンシー、クリスチャン・ディオール、ヨージ・ヤマモト、イッセイ・ミヤケといったファッション・ブランドの自分のワードローブを販売し大成功を収めたことに由来する。観客、特にその中にいたファッショニスタたちはパフォーマンスとは一味違った体験を歓迎し、ピアニストによるワードローブ・セールは、ファッション好きのあいだで最高のうわさとなった。

「SUPER T-market」は単なるピアニストによるファッションに対するアプローチでない。
「SHOES’」の次に行ったコンサートでは、向井山は若いデザイナーや衣装デザイナーなど舞台関係者、音楽家との一夜のイベントをキュレーション。「SUPER T-market」は、才能を持つ若いアーティストが自分の作品をプレゼンし、その場で参加者に直接販売する場所としても機能したのである。

2013年12月6日にアムステルダムの劇場「ミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイ」で開催された「SUPER T-market」はポップ・バンド「マネキン」とシュールなエレクトロニカとボーカルユニット「FETTER」の演奏、ファッション・デザイナーDuran Lantinkによる3Dプリンタによる靴のショーのほか、ビジュアルアーティスト&パフォーマーのCarmen Schabracqによってニット・マスクが編まれ、名門リートフェルト・アカデミーのファッション学科の学生によるトリコ・ドレスなどが展示&販売された。会場での展示品には1ユーロから最高 500ユーロの値段がつけられて販売。向井山が販売したワードローブの売り上げは彼女の新しいプロジェクトの資金となり、ほかのものは直接アーティストの手元に入った。消費を通し、観客はアーティストを直接支援することにもつながり、このマーケットはアーティストが提起する新しい「場」の可能性を呈示した。

 

photos: Joris Jan Bos

クレジット

コンセプト、ピアノ:向井山朋子
ゲスト・アーティスト:
FETTER (Jessica Tucker), multi media artist, musician & producer
Carmen Schabracq, visual artist
Oscar Jan Hoogland, improviser, pianist & composer
Duran Lantink, fashion designer
Rietveld Academy fashion department, 1st and 2nd year students

主催

向井山朋子ファンデーション
ミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイ

助成

オランダ舞台芸術財団