WE ARE THE HOUSE: Salon

サロン (2025)
向井山朋子

WE ARE THE HOUSE。 「わたしたちが家」と奇妙に題されたこのプロジェクトは、アクティビスト、レベッカ・ゴンパーツ、アーティスト、 ノア・ヤンスマ、ドキュメンタリー映画監督、メカニクス記梨子とともに京都に滞在し、劇場・映画館・ギャラリー・学校・お寺を舞台に、地域の人々と共に語り合う場_家、HOUSEを立ち上げる9日間のサロン、そして2026年に発表されるパフォーマンス。
女性性、家族、ジェンダー不平等、家父長制、LGBTQ、人権、中絶医療をテーマに、展示、パフォーマンス、トーク、レクチャー、映画、ワークショップ、パーティー、食堂を通して、ローカルの住人とアーティストが出会い、対話する、オープンで包括的な空間をつくり出した。
雨風をしのぎ、家族や共同体との安らぎの場、とされているHOUSEを観察し、シフトさせ、解放し、解体し、シェアすることで、HOUSEは「わたしたちの場」となりうるのか。9日間の実験的な対話を通して、その問いに向き合う。

< プログラム >

■ みんなの祭壇
サロン開催中、写真や思い出の品、好きな花やフルーツを持ち寄り、自由に飾れる祭壇を作る。来場者の想いをのせて、一緒にみんなの祭壇を完成。

■ BIG HOUSE PARTY
様々なメディアやイベントで活躍中の関西を代表するドラァグクイーンたちが集結!ポールダンサーやゴーゴーボーイ、ヴォ―キングダンサーなども加え、総勢23名のキャストでお届けするゴージャスでパワフルなオープニングパーティー。
出演:シモーヌ深雪、ブルーレット、OZ、フェミニーナ、アフリーダ・オー・ブラート、ショコラ・ド・ショコラ、べべ・マーマレード/SHINTAROH、TAIYO、MAL / ELIANA、MECAV / ShowTA、Tenchan、chihaya、Mokkyun / Yuki & Kei、inseik / D・K・Uraji / DJ kor、DJ Shunpuri

■ 私のためのメイクオーバー
ドラァグクイーンによるパーティーメイクやフェイスペイントなどを体験し、ジェンダーの枠を超えた自由な表現を味わいながら、自分だけの新たなジェンダーの可能性に出会う。

■ 台所がつなぐ家族 ノア・ヤンスマ+メカニクス記梨子
家庭の台所に息づく物語を発見するアート・プロジェクト。家族の歴史や日々の習慣がどのように受け継がれているのか、普段あまり語られることのない視点から台所を見つめ直す。参加者は、祖父母から孫に伝授された料理を食し、「家族レストラン」を体験。

■ 性と身体を学ぶスクール レベッカ・ゴンパーツ
自分の身体を知ることには、性教育の基礎であり、自由への第一歩です。このスクールでは、身体・セクシュアリティ・健康・権利について学び、ディスカッションを通じて理解を深める。
#1「科学と妄想」
#2「私たちのからだ」
#3レクチャーパフォーマンス「避妊と中絶ーー200年の歴史」

■ にほんご教室
「主人」「嫁」「奥さん」「家内」など、日本語には、家父長制や古い家制度を感じさせる家族の呼称が多く存在する。日常生活の中で、私たちはどのように呼び、呼ばれているのか。堀川団地の住民の方を中心に語り合い、それぞれの価値観に寄り添う言葉を探る。

■ クィアって?
フェミニズムやクィアの視点からジェンダーやセクシュアリティに焦点を当てる映画研究者・菅野優香がキュレーションする映画上映会。上映後には、参加者と出演者が思い、感じたことを話し合う。

■ 縁食堂
西陣にある妙蓮寺塔頭玉龍院でひとり親支援の活動を行う住職・中道照海と、ゆるやかな縁食を提案する農業史研究者・藤原辰史がデザインする子ども食堂。子どもも大人も一緒に食卓を囲みながら、食と繋がりの温かさを感じるひととき。

■ 乙姫ラジオ
放尿の音は、そんなに恥ずかしいものなのか?遠藤麻衣+向井山朋子が、日本独特の文化であるトイレ用擬音装置をインスタレーションとして再構築し、多国語で流れる実用的な情報を取り入れたメディア・アートへと変換。京都芸術センター内トイレを展示室として、音を消す文化だけではなく、世界各地の多様なトイレ文化にも目を向け、トイレを巡る価値観や習慣を多角的に問い直す。

クレジット

アーティスト / アクティビスト:向井⼭朋⼦、レベッカ・ゴンパーツ、ノア・ヤンスマ、メカニクス記梨⼦

コラボレーターアフリーダ・オー・ブラート(アートマネージャー/ドラァグクイーン)、遠藤麻衣(アーティスト)、菅野優香(同志社大学大学院教授、映画研究)、シモーヌ深雪(シャンソン歌手/ドラァグクイーン)、ジョイス・ラム(アーティスト、編集者)、中道照海(妙蓮寺塔頭玉龍院住職)、藤原辰史(京都大学人文科学研究所教授、農業史研究者)、三觜なつ美(京都市中学校教諭)

企画・製作:Tomoko Mukaiyama Foundation
共同製作:京都芸術センター、Nieuwe Instituut、Holland Festival
後援:駐日オランダ王国大使館、DutchCulture、CAN (カルチャーオールニッポン)、一般社団法人マルタス
協力:京都市、NPO ANEWAL Gallery、妙蓮寺塔頭玉龍院、knocks! horikawa、こども食堂からふる
助成:駐日オランダ王国大使館、DutchCulture、オランダ舞台芸術財団 (Fonds Podiumkunsten)、アムステルダム芸術基金 (Amsterdams Fonds voor deKunst)、文化庁文化芸術振興費補助金 (地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業) | 独立行政法人日本芸術文化振興会、日本万国博覧会記念基金事業
協賛:株式会社アルファブランカ

WE ARE THE HOUSE: Salon 京都
2025年5月30日- 6月8日 京都芸術センター、No.317 ANEWAL Gallery、妙蓮寺塔頭玉龍院