イースト・シャドウ
ダンス・パフォーマンス、映像、音楽
イリ・キリアン (2013年)
photo: Jason Akira Somma
「詩的で心にしみる鎮魂の表現に、再生への祈りが覗く。」立木燁子、読売新聞
コンセプト
「イースト・シャドウ」はアイルランドの劇作家サミュエル・ベケットの世界観にインスピレーションを受け、2011年の東日本大震災の津波被害に遭った犠牲者に捧げられた舞台作品である。ディレクターのひとりであった小崎哲哉の依頼を受け、名古屋で開催されるあいちトリエンナーレ2013の参加作品として制作された。向井山は作曲家、演奏者として参加している。
キリアンの作ったあらすじは、平凡かつ素朴なものだ。
<…ある男と女が出会い、そしてアパートメントへの引越を決める。それは、彼らにとって”家”となるものだった。まもなく、いくつかの不思議な、ユーモラスかつ悲劇的な出来事を通して、彼らの望んでいた幸せというものが単なるユートピアにすぎないことに気がつく。そのうちに彼らは家と共に地震、津波に襲われ、流される。彼らの帽子だけを残して。その他には何も、全く何も残さず。>
ベケット特有の不条理な世界観が、もう若くはない2人のダンサーによってコミカル、かつ悲劇的に織りなされる。 人間の陳腐な欲望、人生の儚さ、そして誰にでも突然襲いかかるかもしれないカタストロフ。
クレジット
振付&コンセプト:イリ・キリアン
振付助手、ビデオ&サウンドスケープ:ジェイソン・アキラ・ソンマ
音楽:フランツ・シューベルト『ピアノ・ソナタ D959 アンダンティーノ』、向井山朋子『ビギニング』、「イースト・シャドウ』
テキスト:サミュエル・ベケット『Neither』
パフォーマンス:サビーン・クッファーベルグ、ゲイリー・クリスト
ピアノ:向井山朋子
芸術監督助手、舞台監督:パトリック・マーリン
衣装デザイン:ジョーク・ヴィッセール、ヘルマン・ホーランダー
舞台デザイン:イリ・キリアン
技術制作&照明デザイン: ルース・スハケンボス
衣装係: ティナ・タウト
プロジェクト・マネージャー:カルメン・トーマス
世界初演:2013年9月14日 あいちトリエンナーレ2013、名古屋
制作
主催:あいちトリエンナーレ2013(日本)、キリアン・プロダクションズ・ヨーロッパ(オランダ)
共催:ロレックス(日本)、向井山朋子ファンデーション(オランダ)、モンテ・カルロ・ダンス・フォーラム(モナコ)、アテネ・エピダウロス・フェスティバル(ギリシャ)、コルゾ・プロダクションズ(オランダ)
助成
オランダ舞台美術振興基金